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番組審議委員会2021年8月

番組審議委員会2021年8月

放送番組の編集の基準

1.開催年月日

2021年(令和3年)8月

2.開催場所

新型コロナウィルス感染症対策として、書面での開催

3.出席委員

審議委員総数 7名
重村一、大宅映子、泊懋、中山雅葉子、脇田直枝、三枝成彰、内山隆

4.議題

TVアニメーション『バクテン‼』 第1話 について番組審議
・本作品のご感想
・作品のターゲットについて
- 製作者はメインターゲットとして18~24才の女性を、サブターゲットとして25~40才の女性を設定。第1話をご覧になり、どのように感じましたか。
・「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」について
- 東日本大震災から10年となる2021年、この作品はフジテレビがアニプレックス、イオンエンターテインメントと共同で岩手県・宮城県・福島県の被災3県を舞台にしたアニメ作品を発表するプロジェクト「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」です。この観点から、作品を見た感想を教えてください。
・その他、表現やテーマ等でお気づきの点など。

参考)『バクテン‼』
東日本大震災から10年「ずっとおうえん。プロジェクト」から生まれたアニメツーリズム推進プロジェクト。宮城県岩沼市を舞台に高校男子新体操部の物語。
「笑ったぶんだけ高く、泣いたぶんだけ強く」中学生活最後の夏、『男子新体操』と出会い、強烈に魅せられた少年「双葉翔太郎」。
私立蒼秀館高等学校(通称:アオ高)に入学した翔太郎は、男子新体操部の門を叩く。そこには、個性的な先輩たちと、中学男子新体操のスター「美里良夜」がいた。何か一つのことに懸ける、熱い青春の日々。ときに挫折し、すれ違うも、共に仲間と過ごす毎日の中で、一生懸命一つの目標に向かって、チームでひた走る姿を描く「スポ根 × 青春群像劇」。
この春、情熱を懸けた本気の青春が、始まる―

【第1話:バク転したい!】
中学生活最後の夏、双葉翔太郎は、ふと訪れた体育館で「男子新体操」と出会う。翌年、私立蒼秀館高等学校(=アオ高)に入学し、男子新体操部の門を叩いた翔太郎を迎えたのは、個性的な先輩たちと、同じ1年であり中学男子新体操のスターだった美里良夜。先輩たちと美里に見守られ、さっそく「バク転」に挑戦する翔太郎だったが……。

各委員からのご意見まとめ

作品のストーリーについて

  • スポーツアニメの王道・典型、ストーリーは非常にオーソドックスで分かりやすい。
  • 今後、男子新体操の魅力が描ければ、さらに良くなっていく。

アニメの描写や演出について

  • 新体操の演技は、技術を駆使して丁寧に、リアルに描かれているが、アクションシーンとしての迫力にやや欠けている…もっと細かくカット割りをし、顔や筋肉の動きなどのクロースアップ、ワイドショットを切替え、編集することで、リズミカルで迫力を出せるのではないか。

キャラクターのデザインについて

  • キャラクターのデザインは、顔の造作バランスや髪の色等が現代のアニメーションのトレンドを反映していると思うが、この作品ならではの、強く個性的な・印象的なキャラクター造形や多様性があってもよい。

スポーツものアニメについて

  • スポーツものアニメは、かつて70年代後半から80年代にかけて大流行…野球や柔道、空手にボクシング、その次はサッカーなどと移り変わってきた。「男子新体操部」が舞台とは、スポーツものアニメの新時代を感じる。男子の新体操部に繰り広げられるドラマは、現在の視聴者に興味深く受け入れられるだろう。

作品の対象ターゲットについて【メイン:18~24才の女性、サブ:25~40才の女性】

  • ターゲットについては、性別に関係なく主人公の翔太朗と良夜のライバル関係と友情に、10~20代が共感を持ち、2人のキャラクターや生き様に魅力を感じてもらえれば、作品は成功と言える。
  • 画の作風(男性登揚人物のキャラクター傾向、等)からは「男性よりは女性」の印象。
  • 女性ターゲット派でも、メインの18歳~24歳の学生より、社会人を3~4年経験した、サブターゲット前半の女性の方が、「かっこうよく、かわいらしい男子高校生がひたむきに競技に打ち込み、一人の男の子が自分の道を見つけていく物語」に共感と感動をもって見るのでは…。

東北復興支援プロジェクトについて

  • 1話だけでは、「東北復興支援」の要素は感じられなかった。
  • 「東北復興支援」が観光・地場産業振興など「どのような生活応援を具体化するのか」明確なヴィジョンを具現化する脚本作り、映像コンテ作りをしっかり行うことが大切と思う。

ご意見を参考にした今後の対応

  • 作品については、「男子新体操」というテーマの新規性や体操シーンの描写など、高く評価していただきました。
  • 一方で、登場するキャラクターのデザインや個性の多様性や体操シーンのアニメ独自の際立った演出など、今後作品をよりよくしていくためのクリエイティブ・アイディアも多く教示いただきました。
  • 「東北応援プロジェクト」と作品の関連性については、1話限りでの評価ではあるものの、その関連性を今後どのように作り上げていくか、「偽善的」と誤解されないためにも、しっかりと緊張感と配慮をもって運用する大切さを再認識しました。
  • こうした各員からのご意見を制作者と共有し、今後の制作の参考として参ります。